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ドラゴンクエスト7の小説ブログです。 9プレイ日記もあります。
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おおっと!
ツボの中から黒い猫!!

……と思ったら、ぬいぐるみだった。


両手で持ち上げてみると、身体の中身は綿だった。
軽くってふわふわ、
いい手触り。
ぷらんと垂れた尻尾が揺れるのが可愛い。


「おや、アルス殿。その猫。」


シャークアイがやってきて、僕の手の中の猫を見た。
これ誰のぬいぐるみなのかな。
ツボの中にあったのに、ずいぶん身綺麗で、
何だか、新しいみたいに見えるんですけど。

「シャーク、これ誰の?」
「よろしければアルス殿に進呈しましょう。」
「え?」
「それは先日マーディラスから連れてきたもので…」

ああ、シャークアイって、ぬいぐるみにも手を出しちゃうのか…。
てっきり生き猫だけかと。いい大人だし。


「いや忙しい。荷の整理くらい船員に任せたいのですがこのあたりのものはすべて俺の私物でしてな。カデルが早く片づけろとうるさいのです。今日中に決算がどうとか細かい男だ、わっはっは! そうそうアルス殿、その猫は喋るのですぞ。」
「えっ?」


シャークアイは僕の疑問には答えないでコンテナの片づけを始めた。
だいたい私物と称してシャークアイが仕入れるものの多くは船員のためのプレゼントだったりして、シャークアイっていい上司なんだ。まあ、この猫は間違いなく自分用だろうけど。

僕はしげしげとぬいぐるみを眺めた。
この猫が、喋る、だって?

「…お前、喋るの?」
「…ニャー」
「えっ」

ほんとにニャーって言った!
僕はびっくりして猫のぬいぐるみを見つめた!
猫の口元は確かに笑っているけど、いや、でも、それはもともとそういう顔だよね?
ぬいぐるみ、だよね?

「…ええっと…、こ、こんにちは、ネコさん。」
「はじめましてだニャー。」
「!!」

僕は今度こそ背後を振り返った。
シャークアイは背中を向けてせっせと荷物を解体している。
長い黒髪が揺れていた。
忙しそうで、とても話しかけられる雰囲気ではない。


僕はまたおそるおそる猫を見た。
ぺろんと垂れた尻尾の揺れ具合に、何かこう、一瞬前に見たものを思い出すような…。

黒いふわふわのお腹を両手できゅうっと押すと、
ぬいぐるみは「こんにちは」って挨拶するみたいに、僕に向かって身体を傾ける。
その愛くるしい黒猫にじっと見詰められたまま、僕は、そーっと後ろを顧みる。

「……いま、喋ったよね?」
「…ニャー?」

………。

「……僕、アルス。よろしくね?」
「よろしくニャー!」
「……ネコさん、僕と友達になってくれる?」
「アルス殿と一緒に遊びたいニャー!」


ああ、シャークアイ、すごく忙しそう。




――――――――――
お題はこちらのサイト様から頂きました
期間限定様


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モル元
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女性
自己紹介:
ゲーム大好きモル元です。

9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!

シャークアイ関連の雑談やコメントなど随時募集中。お気軽に話しかけてやって下さい。世の中にシャークアイの作品が増えるといいなと思って活動しています。

シャークアイ、かっこいいよね!
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