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ドラゴンクエスト7の小説ブログです。 9プレイ日記もあります。
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〜あらすじ〜
ミカド国の聖地シンジュク村にて、フリンは人生の分岐路に立たされた。そこに行けという伝言をよこしたウーゴ様は、神に世界を任せきりにし、暢気にも東京でのワイン探しを依頼してきた。この男、実はかなりの恐妻家らしい。しかし結局、ウーゴには適度に鼻につく程度の自己顕示欲や権力志向はあっても、この世界を導き、あるいは変革するような、過ぎた野望や野心というものはないのだ。彼には愛すべき凡庸さがあり、そこにフリンは愛着を感じるのだった。ちなみに我々は遺物漁りの最中にすでにどこかでワインを入手していたらしく、さっそくウーゴ様に強奪された。




■聖地・シンジュク村へ
ミカド国シンジュク村へ行け、というクエストがあったのを、望遠鏡でちらっとシンジュクを見てみたら白い繭状のものがあったため、「やだ…行きたくない…明らかに何か起こる…」という気持ちに襲われ、久しぶりに戻った故国で人々とのおしゃべりに勤しんだり、銀座でお買物をするために貯めていたお金の一部でミカド国のレトロファッションを購入してしまったりと現実逃避をしてしまっていました。城下町は「新しい指導者」とやらで沸き立っていて、カジュアリティーズは本を読むことなどやめ喜々として労働しているというのに、パン屋の主人だけが、頑に本を抱えてフリンのほうをじっと見つめてきます。このブレなさはかなり貴重なのではないでしょうか。相変わらず何もない、荒れ果てた故郷キチジョージ村を少しだけ彷徨ってから、フリンは重い腰をあげたのでした。


シンジュク村につくと、そこにはギャビーの姿がありました。遠目に見えた繭状のものは、やはり「白い繭」なのでした。ギャビーに導かれるままにその中に入って行くと、内部は黄金色に輝く蜂の巣のような作りでした。そこには新宿御苑で助けた3人の仮面の男たちが真の姿を見せていました。ま、禍々しい!! そのあまりの禍々しさに、とっさに「こいつは敵だ!!早急に討伐したい!!」と思ってしまったのですが、ギャビーもまた姿を変じ、彼らは我々に真の名を告げたのでした。

その正体は他ならぬ、主の御心を人々に伝える4大天使、ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエル……!!

黒船が来たーーーーーー!!!

という気持ちです。だってミカド国は明らかにジャパンですよ! 東京で私は古来の日本の神々を見ましたよ!! 東京にそのような神を残し、天井にこの世界とは! ユートピアと言われようと黒船来航のイメージを拭うことは出来ません。乗っ取られる! 乗っ取られる!! それに今更こんな、ドット絵の緻密さがSFC時代のファイナルファンタジーのボスを思わせる天使たちに崇拝の念を抱けと言われても困る! あとそんな偉い人たちが新宿御苑に封印されていたけど、誰がどのような力で、しかも東京という土地に彼らを封印したのか分からないままです!

■ユートピアは誰のものか
ギャビーこと大天使ガブリエルは語ります。かつて、主は人を作った。しかし人は主の意思に背く生き方をした。そいつは作り方を見直すべき…と言いたいところですが、ギャビーはそういうことは言いませんで、後手後手の話をしてきます。つまり、その対策として、人間を選別し、穢れた者を東京に残し、穢れなき者だけが、このミカド国へと移り住んだ。ところが、今、ミカド国の人々は堕落し、支配者を名乗る者が人々を都合よく使う世界となってしまった。作り方を変えなかったからでしょうに…むしろ作ってしまったものには責任をもって誉れ高くない皆々のことも大切にして下さい…しかし大天使はこう考えた。では、今、再び、人をふるい分けねばならない。

つまり「東の」ミカド国とはやはり所謂ユートピアであったわけでした。知識も知恵もなく労働を強いられてきた我々カジュアリティーズも含めて、ミカド国の者は皆、その祖先は選ばれし民だったのです。我々はかつて方舟に乗せられた者の末裔なのです。しかしミカド国の人々はその歴史の中で、ラグジュアリーズとカジュアリティーズという階級を作り出し、支配層が都合のよいように人々を操り、その結果ついには悪魔の誘惑を招くこととなったのです。大天使たちはそのような堕落からミカド国を救うべく立ち上がり、この国の次なる千年のため、新しき指導者として君臨することを決めたのです。そして人々を選別し、人間のあるべき姿、主の御心に沿う存在へと戻すのです。こうして聞いていると、結局、言っていることはあのリリスと同じなのです。フリンたちも、そのことを感じました。

■ワルター、ついに袂を分かつ
大天使たちは、改めて「リリスを討つように」と我々に言ってきました。天使が出て来た以上、もはや人は人と争い人を討つべき存在であって、あんなややこしい悪魔は天使の手で討つべきではないでしょうか。このような肝心な部分を人間の手に任せ、私に選ばせるという時点で雑な政治です。こういう統治者は信頼出来ません。人類を試すつもりなのでしょうか。それなら、たまたま話を聞いた一個の人間の動向で判断せず、英雄・英傑・勇者の血を引きし者など、せめてしかるべき人にして下さい。フリンはただの男の子です。いや、確かに建国の王と契約した悪魔を倒してしまったけれど、それだけで何らかの説得力ある資格を持っているような気もして来るけれど、しかし酔っぱらうとズボンを脱ぐような仕方のない子です。

さて、これに反発したのがワルターです。ワルターは大天使の唱える、人々を選別するというやり方が許せません。そんなものはタヤマの思想と同じだと言います。面白いもので、大天使たちの話や「新しき指導者」に導かれたミカド国の人々の話を聞いていると、ラグジュアリーズとカジュアリティーズという階級制度が、大天使たちの登場によって打ち破られたことが窺えて、人々はそのことを高く評価しているのですが、リリスとの出会いを通じてカジュアリティーズとしてこれまでの人生を他人の支配下に置いていたことへの怒りと反発を知ったワルターが、まさにその憎むべき秩序を打ち破った大天使を受け入れないのです。ワルターの心はかなり大きいものを見ています。ワルターは選民思想そのものを嫌い、もし表向きミカド国の国民に平等が訪れたとしても、主が、あるいは何らかの上位存在が、人を選り分けるということ自体を嫌うのでしょう。タヤマの工場を見た時もそうでした。犠牲になる者たち、ふるい分けられ、退けられる者の気持ちを、ワルターは考えてしまうのです。どのような基準であれ、何らかの物差しで測られ、断罪されることが許せないのです。しかし、そうはいっても、ではどんな世界が理想とされるというのでしょうか。世界に秩序がなければ、私など乱暴者に殺されるだけです。

繭を出たあと、ヨナタンは「そういうわけで黒きサムライを討伐に行こう」とまたぞろ言い出しましたので、これにはさすがのフリンも「うるせえな、そのモジャ毛をバリカンで刈っちまうぞ、この黒き羊が!」とついつい思ってしまいましたが、ヨナタンはヨナタンでまあ…言っていることは分からなくもないです。我々はあくまでサムライという立場なのであって、国を守るべき立場のものが民を混乱に陥れてどうするのだ、というのがヨナタンの考えです。立場。立場か。そう言われるとつらいです。職業倫理というものがあります。ガントレットの呪縛から私は逃れられないのでしょうか。確かにサムライという国家に尽くすべき立場を使いながら、国に逆らうことをすべきではない。それは反逆というものです。反逆罪はいかにもよくない。よほどの腐敗政治が行われているならばまさにこの立場から発言し行動することも大切でしょう。しかし民の暮らしは今安定しているので、ここにあるのは人間のあり方についての疑念だけです。

であれば、私はこの立場を捨てたいです。だいたい、望んでサムライになったわけではなく、ガントレットに強制的に選ばれたのですから反逆くらいしてもいい気もします。サムライである以前に一個の人間として、ヨナタンの思想にはついていけません。あと、大天使の見た目もリリスと大差ない禍々しさだったし…イッポンダタラがド派手になった程度の悪魔感だった……私の仲魔のほうがよほど神々しいです。


ワルターははっきりと「オレはリリスを討てない」と言います。決意したときのワルターの声は前にも書いたようにセクシーな魅力を感じさせる響きがございますので、私も音量をあげたりしながら彼の発言に耳を傾けました。が、言っていることはやはり大二病的な部分があり、「ちょっとパン屋と相談してきて」と言いたい気分にもなります。なによりワルターの発想で同意出来ないのが、「強いものが望むだけ変えられる世界」を彼が望んでいるということで、毎回引っかかるのが、この「強いものが」という部分です。強いものとは何か。それは、変革するだけの力をもつ者が変革する世界ということ? 力をもつ者が、自身の思想を実現してしまう世界? ワルターは表向きは「どのような上位存在からも選別されない自由で平等な世界」を希望しているようですが、結局それは「力という個体差のあるもので勝負が決まってしまう世界」にしかならないのです。人類のあり方として世界を見た時にはそれは「望むだけ変えられる」束縛のない世界ですが、それによって出来上がった世界は、力のない者にとっては不自由で不平等な世界にならざるを得ません。そこにユートピアはありません。今、タヤマに実力があるからタヤマが東京を握っているのです。それを力で奪い返して、混沌に陥れても、またタヤマに変わる実力ある者がのさばるだけではないでしょうか。

■フジワラのことをちゃんと覚えているイザボー
圧倒的な存在感を誇る大天使たちを前に「そうそう、良い機会だからフジワラ殿のこと…」と言って来たイザボーはすごいです。どう見たら「良い機会」なんだ!? 明らかにそれどころじゃないだろ!! …でも、ギャビーことガブリエルは、この話をお察ししていて、一蹴します。東京にいる者たちはすでに選別し排除されたケガレビト。こちらの世界には必要のない者だからです。これにはイザボーも、動揺していました。

■力をいかにふるうべきか
ワルターは寄宿舎でフリンを待つと言い、ヨナタンはナラクの入口でフリンを待つと言います。話し合いや説得に最も有効な場所というものを、さすがワルターはわきまえているようですが、ヨナタンのほうもこれまたさすが童貞と思わせる待ち合わせ場所です。

どちらとともに行くことも選びがたいことです。世界の大事な問題に触れることは恐ろしいですし、友を失うのも悲しいことです。とりあえずフジワラに話を聞きに行こうと思ったら、ターミナルは人が邪魔して使えません。これまで自然、ヨナタンルートで来た私ですが、別に意図して来たわけではなく、思うままに振舞った結果です。今回も、心を決めなければなりません。

私はサムライの地位を捨てることができないのかどうかについて考えていました。酒場のKが、サムライたるお前には力があり、それをいかにふるうべきかは重要な問題であると言いました。いや、使ってはいけないと言っていたかな。しかし私はどちらかを選ぶしかないのです。ホープ様はワルターとヨナタンの対立の話を聞き、自分は故郷に婚約者を残したまま気づけばサムライの長にまでなっていて、今では自らの発言が及ぼす影響力について敏感にならざるを得ず、そのように思うままに振舞える二人が羨ましいといったようなことを言っていました。おおっと…これは重要証言です。これはつまりホープ様から「お前たち程度なら好きにしていいわ」というお許しが出たということです!! じゃあ…じゃあ僕はワルターと行く。ヨナタンとは行けないから。ワルターを一人には出来ないから。少なくともワルターには将来のビジョンというものがなく、ヨナタンにはそれがあります。だからワルターのほうが心配と言えば心配です。でもリリスという同じ場所を目指しているのだから行った先で遭遇してしまうことは間違いないですよね。これやばいな。
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ゲーム大好きモル元です。

9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!

シャークアイ関連の雑談やコメントなど随時募集中。お気軽に話しかけてやって下さい。世の中にシャークアイの作品が増えるといいなと思って活動しています。

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