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あらすじ
悪魔リリスにそそのかされ、同僚ワルターは既存の秩序への疑念と、改革に対する野心を知ってしまった!

ワルターはカジュアリティーズ出身で、これまでは階級秩序から来る負担を、気に食わないと思いながらも受け流し続けていた。しかしその心の中には、リリスの説く人の世のあり方を、己の体験に照らして理解するだけの土壌が出来上がっていたのである。

一方、ラグジュアリーズ出身で、「よき労働者階級の生活を守るよき支配階層」という構図に基づく国家安寧を第一とするヨナタンは、「秩序を乱すものは黒きサムライという一人の女性であれ、悪魔リリスであれ、民の平和と安定のために排除する」という、彼なりに筋の通った思想を手放すつもりは毛頭なかった。彼は黒きサムライの言うことなど世を乱す悪人の戯れ言と思っているので聞く耳をもたないし、リリスという悪魔の言うことならなおさら、悪魔の妄言として必ず退けた。彼が過去に退けなかった悪魔の言といえばサキュバスの誘惑くらいのものであった(その時ばかりは、彼もメロメロにされてしまったのである)。とにかく、ヨナタンにとって、人間が人間の世界に自発的に疑問を抱くことはあり得ない。黒きサムライに本を与えられた民も、リリスの言葉に関心を示した友も、いずれも悪しき誘惑から救ってやるべき存在、迷える人の子なのだ。

さて、さきほど「ワルターとヨナタンの衝撃的ぶつかり合い」を目撃してしまったフリンだったが、その興奮もさめやらぬうちに、銀座の地下街でワルターとJKが会話しているのを目撃してしまい、何ともばつが悪い思いがしたのであった。






■何となく神経を逆撫でする例の女子高生とワルターが秘密の会話をしていた
そんなわけで、築地本願寺から防空壕を伝って銀座に戻ったところ、噴水の前でワルターがあのJKヒカルと喋っていました。ワルターッ!! と叫ぶヨナタンの必死なこと…しかしワルターは我々の姿を見ると走り去ってしまいました。よりによってあのJKとは趣味が悪いとでも言いたげなイザボー、「喧嘩でもしたのかな?」と言って来るJKに「ワルターと何を話していたの? 教えなさい」とお姉さんらしい高圧的な態度で臨みます。JKヒカルは、ワルターが六本木の地下に行きたいそうなので新宿のフジワラを紹介した、と言います。フジワラは喫茶フロリダにいる。しかしフロリダは会員制であって、会員証であるマッチ箱を持っていないと入れないのだそうです。

■喫茶フロリダへ
彼女にもらった喫茶フロリダの会員証をもって新宿のフロリダに行くと、ワルターが小競り合いをしています。入れないのですね、愚かな…。入口にいる人を無理矢理説得して入ろうとしているのですが、詐欺師の才能もないらしく「いいだろちょっとだけだよ頼む」のような、どうしようもないアピールの仕方をしています。しょうがないな…ワルター…。

ヒカルに貰ったマッチ箱を使ったのは、ワルターのためだけではなく、僕自身もまた、リリスの言うことに関心があったからです。ワルターは一人でここに来てしまったけれど、一緒に来るのでも僕はよかったのです。

■ツギハギとフジワラ
中にいたのはツギハギと呼ばれるハンターと、フジワラという男でした。フジワラは元記者だったとか。ジャーナリストですね。色々と、ミカド国の存在についても知っているようです。興味深かったのは、彼が「ターミナル、使ってくれてる?」みたいなことを言って来たこと。ターミナルとは、東京の都市間を移動するだけでなくミカド国にも移動出来る不思議な装置です。フジワラが私のようなふざけた性格であったら全くターミナルの設置に関わっていないのにさも自分が作ったかのように「どう?あれ、便利でしょ?」って言うかもしれませんが、普通に考えると彼が設置に関わったということになります。一体この人物、何者なのでしょうか。

■フジワラの野心
フジワラは「東京からミカド国への移住を考えている」と言ってきました。その手引きを私に求めているのです。機会があったらギャビーに伝えて欲しいと言われたような気がします(ちょっと、ヨナタンとワルターが今後パーティでやっていけるかどうかが気になっていてフジワラの話をよく聞いていませんでした)。これに対しては当然ヨナタンは否定的ですが、一体、東京の人は、ミカド国で暮らせるのでしょうか。郷に入って郷に従うのであれば、拒むことはないでしょうし、拒む権利も我々にはありませんが、土地はあるのでしょうか。そして東京出身者の処遇はどうなるのでしょうか? キチジョージ村は壊滅して村人もかなり減っているので、キチジョージ村への移民はありかもしれませんが、おそらくそういう規模の話ではありませんし、もしその規模に限ったとしたら確実に特権階級のみが流入します。大挙して押し寄せるとなると第三身分として受け入れる可能性があり、それはカジュアリティーズの一部は認めるかもしれません。自分たちより下位の存在を欲する者もあるでしょう。しかしそれは「神が与えた身分」とは到底言いくるめられないものです。

また、フジワラのような男は特権階級としてミカド国に来るつもりでいるのでしょう。「出自を隠してひっそりと住処を変える」ということには絶対にならないでしょう。かなり難しい、危険な話になりました。


■銀座ガイア教団への不信感
池袋でカガと知り合った頃は、それなりの気骨ある集団に見えていたガイア教団。また、ガイア教団がおさめる銀座は山手線沿線の雰囲気とは異なり、かなり落ち着いた生活をしているようにも見えます。が、悪魔との兼ね合いがうまくいっているのは、ガイア教団のトップがリリスという悪魔であるからです。ではカガたちが命を捨ててまで悪魔と戦っていたのは何だったのでしょう。銀座のガイア教団員は、「自分たちは阿修羅会とは違う」というプライドばかりが高く、そして結局は高額な年会費を納めることによって教団に所属しています。この人たちはおそらく腕もそれほどたつわけではないのでしょう。阿修羅会と見た目は違っても、トップ集団が集団の底辺の頭が悪く力もない連中からお金を吸い上げて、便利に使っていることは同じであって、こいつらに対しても生理的な嫌悪感を感じてしまいます。

ミカド国の修道院も、赤玉をしのぎに使って金で人を引きつける阿修羅会も、リリスを長としてプライドを利用して人を使うガイア教団も、どいつもこいつも信用ならない。もちろん、フジワラも。
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ゲーム大好きモル元です。

9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!

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