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ドラゴンクエスト7の小説ブログです。 9プレイ日記もあります。
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かつて事故によってか負傷した姿で人間界に降り、ナザム村の少女ラテーナに助けられた天使エルギオス。どうして落ちたのかは結局よくわかりませんでした。モル元が経緯を見逃したのかな?

そのナザムにはガナン帝国の者たちが攻め入り、もののついでか、ラテーナをさらおうとしたのでした。最初こそ手負いのエルギオスが彼らを追い返したものの、二度目に攻め入られた時にはガナンの態勢も万全であり、村を守って戦おうとするエルギオスの身を、ラテーナは案じます。ラテーナとエルギオスはすでに恋に落ちていました。幽霊ラテーナの探していた例の首飾りは、この頃エルギオスから贈られたものでした。


あの首飾りは、天使が近くにいると光るそうです。だからエルギオスが近くにいると、きれいに光ります。エルギオスはそれをラテーナに贈り、願わくばいつまでも、この光が君とともにあるようにと言います。つまりずっと自分が傍にいるよっていうことで、エルギオスかわいいことしますよね。いいなあーって思いました。ロマンチックですよね。


でもその首飾りがあるとエルギオスが近くにいるっていうことが帝国勢にまるわかりになってしまうから、天使像の下に、ラテーナは首飾りを隠したのでした。以前、幽霊ラテーナにお使いさせられたのはそのせいです。


帝国が攻めて来た時、ラテーナは、エルギオスを連れて岩陰に逃れます。が、やはり村のために戦うのが守護天使の務めだ!とエルギオスは言い出します。そこでラテーナは、わかったわ、でもせめて、村に伝わるこの秘伝のおくすりを飲んで行って…と言って、ビンを差し出します。人間の薬が天使に効くだろうかと言いつつも、ありがたく受け取るエルギオス。しかしそれはねむり薬だった―― 


エルギオスを失いたくないラテーナが、こうしてでもエルギオスを守ろうとしたのでした。


ここまではよかったのですが、ラテーナの父だか祖父だかが裏切って、ねむり薬でぐったりしているエルギオスのところに帝国の者たちを連れてきてしまいました!! 天使を差し出せばラテーナも村も放免する、という交換条件を取りつけ、エルギオスを裏切ったのです!! この男にしてみれば、ラテーナと村を愛する気持ちゆえの行動でしたが、かすかに意識の残っていたエルギオスは、ねむり薬を自分に与えたラテーナもまた男と同様に自分を裏切ったのだ、と思ってしまいました。

天使エルギオスのことを知ってしまっているラテーナたちを帝国が放免するはずもなく、エルギオスが奪われたあとラテーナたちはあっけなく殺され、そしてラテーナはエルギオスを探し出して彼に許しをこうためだけに幽霊となって彷徨うことになったのでした。



その出来事から一体どれほどの年月が過ぎ去ったのか。愛する人間の娘、愛する人間たちに裏切られたと思いこんだまま、気の遠くなるほどの長い時間、帝国の地下に手足を鎖で繋がれて捕らえられ、天使の力を搾取され続けたエルギオスの姿が、私たちの目の前にありました。

鎖を 解きますか?


なにかやばい、と思っても「はい」しか選べないのがドラクエです。この「訊いておきながら結局『はい』しか選べない」ことに納得しない私の友人の一人は「これだからRPGはだめなのだ!!」と怒っていましたが、そういうことではありませんよね。なにかやばい、と思っても、そちらに進むしかないのが運命というやつであり、そしてそんな選びようのない運命でも、それでも勝手に乗せられて進んでいくのではなくて、確かに私が、このように言わざるを得ない状況においてであっても確かに私自身が、「はい」と言ったことによって引き起こされた事態ですよね。そういう宿命を引き受け続けていくのがドラクエの主人公なんですよ! 


そういうわけで、なにかやばい、これはいけない、と思いつつ、エルギオスの鎖を外しました。両手首を鎖で吊りあげられて開かされ、両足にもそれぞれ鎖をかけられて、ぐったりと項垂れているエルギオス。別の意味でなにかすごくやばい。そんな彼はしかし、「助けてくれてありがとう、きみを待っていたよ、ウォルロ村の守護天使ユリス――(^^)」とは言いませんでした! 彼は囚われた身でありながらその実帝国を操っていたのは自分だと語ります。力を奪われているふりをして彼らを操っていたのはこの私なのだと、昏い笑いとともに語ります。おお…おお…!!?


愛する人間の娘に裏切られたと信じたまま、愛していたはずの人間たちの手によって、裏切られ、うちのめされ、たった一人で絶望のうちに気の遠くなるほどとらえられていた彼は、すっかり憎悪に心を染めた、そう、ラスボスになっていたのでした!! 彼こそが、堕天使エルギオスです!! 行き場のない悲しみと絶望と、愛だったときと同じだけの憎悪と、疲労と倦怠、皮肉と嘲笑、なんかもう圧倒的な負の気配をまといながら、ゆらりと立ち上がる、全身もボロボロ、翼も傷んで酷い姿の天使エルギオス、

堕天使エルギオスが現れた!!

官能的すぎる!!!

思わず例の「RPGなんて…」と言っていた友人のところに駆け込み

「DQ9のラスボスが官能的すぎる!!!!!」

と叫びましたが、
9をプレイしていない友人には取り合ってもらえませんでした。




ドラクエですよ。

そやつによって危機に瀕しているものが「王国のお姫様」から「世界全体」にかわったとしても、

よくぞここまで来た。
うはははは、我こそ悪の化身、分を弁えぬ虫けらどもめが、滅びるがよい! 

って言って戦いを挑んでくるのが、ラスボスってやつじゃないですか! ケフカの当時からどうにも妖しい気配を放っていたFFじゃないんですよ。魔王はどこですか、魔王は!! 

オルゴ・デミーラも途中で両性具有的姿を見せたりしてそれなりに妖しかったけど、このエルギオスはそんな小ネタレベルではありません! ものすごく苦しんだ者の放つ負のオーラで主人公たちに迫ってきます。うわー、これはもう癒せない、ここまで来るともう倒すしかない、お師匠様、こいつ倒すしかないですよ……ってなります。

ラテーナだけは信じていればよかったのに。
でも、巌窟王ばりの苦しみを得た上に、巌窟王と違って彼の場合は、ずーっと帝国に力を奪われ続けていたんですね。でも心のどこかではラテーナを愛すること、人間を信じることを諦めきれずにいて、迷っています。だけど、迷っているけれど、今ここまで来てしまってはもはや自分の絶望にこたえるためには世界を滅ぼし神の国を奪い自らが神となるしかない、っていう境地にまで、彼は彷徨い込んでしまったのでした。人間も、この世界も、壊して再び造り直さねばならない、人間も世界もあまりに罪深く、存在することそれ自体、存在そのものが罪なのだと思いつめて、そして暴れるエルギオス。 NO! いけない気配がすごすぎます。


鎖から解放されたエルギオスは、神の国へと飛び去っていきました。もう帝国にいつづける意味もないのですね。わが師イザヤールはエルギオスを助けるためにたった一人立ち上がりそして皇帝の前に斃れたのに、これでは何のためにイザヤールが死んだのか。やりきれなくて悔しくてしょうがないですが、サンディが彼のことを「エルキモす」って呼んでくれたので初めてサンディの発言にユーモアを感じて和みました(笑) ああいうわけのわからなくなってしまったどうしようもないもの、しかも誤解や苦痛によってあんなふうになってしまった悲劇的なものを「きもい」ってすっぱり言ってくれるサンディありがとう。イザヤールが愛した師でも、ここは心を決めて、ばしっと倒すしかないですね!


エルギオスは神の国へとのがれたので、ユリスたちは一度、天使界に戻りました。私のお師匠様は助けてもらったのに、ユリスのお師匠様は…ごめんね、ごめんね…って言ってくる天使が優しくて切ないです。天使は死ぬと星になるから、星空の中にイザヤールはいるんだって。

ところでエルキモと戦うにあたり、ひとつの大きな問題があります。それは、彼がたとえ堕天使であっても天使であり、同じく翼がなくとも天使であるユリスにとっては上級天使にあたり、それゆえにユリスは彼に、はむけない。これは天使のことわりであって、「このさいだし、目上とか気にするなよな!」という類のものではなくて、はむかおうとしてもどうしても身体が動かないのです。イザヤールと戦おうとしたときもそうでした、もっともユリスはイザヤールの前では「ぼうぎょ」しかしませんでしたが……


実質戦っているのは人間たちであり、ユリスはおもに「おうえん」にいそしんでいるとはいえ、この問題は何としても解決しなければならないことです。そこで世界樹の女神セレシアは言いました。女神の果実を食べて人間になれば、天使のことわりから解放され、あなたはエルギオスと戦えるでしょう。

待ってほしい。
翼をなくし、光の輪も失って人間みたいな姿になって人間の仲間と一緒に人間界を旅して、ほとんど人間になっていたユリスですが、でも人間には、天使たちの姿は見えません。アギロのことも、ついでにサンディのことも見えません。箱舟も天使界も見えないらしいですから、つまり、リアルに同族と別れろということですよね。

この時点でも、どうしてユリスだけ翼や輪がなくなってしまったのかどうもよくわからないのですが、そういうものがなくても、ユリスは天使です。人間と守護天使のどっちつかずじゃなくて、アイデンティティはやっぱり天使です。そして守護天使のつとめは、人間をまもること。それが存在意義です。そうですね、それならば、そのためだったら、私は人間になっても構わないです。


アギロが「神の国に連れて行ってやる、その前に覚悟を見せてくれ」というので、サンディは「そこまでしなくていいよ」と言ってくれたのですが、自分の責任の範囲を自分で狭めて逃げるのはプライドのないひきょう者のすることだと、サンディに教えなければならない。ユリスは女神の果実をかじりました。あんぐり丸飲みしたわけではなくて一口かじっただけ、あとはスタッフの誰かがおいしくいただくの? 

即効性ではないらしくて、
まだ、箱舟の黄金の壁も見える。アギロも見える。
アギロ好きだー





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ゲーム大好きモル元です。

9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!

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