ドラゴンクエスト7の小説ブログです。
9プレイ日記もあります。
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波に揺れないベッドの上に横たわり、じっと目を開いたまま、天井を見つめる。子供の頃から変わることのない、その眺め。そっと目を閉じれば、よみがえる、真っ白な一対の帆に染め抜かれた水の民の旗印、驚くべき高さを誇るマスト、きらめく噴水、船上に日々を送る人々のにぎわい。
……シャークアイに会ったかい? いい男だろ? 若いのにシブくてさ、昔初めてあたしが彼を見たとき、彼はまだ独身だったの。あの人の笑顔に、一撃であたし、ノックアウトされちゃった。それであたし、故郷を捨ててこのマール・デ・ドラゴーンに来たのよ。船でもこうして酒場を始めてね、海賊の男たちは最初はいかついと思ったけど、仲良くなるとすごく気のいい連中ばかりでね、楽しくやってきたわ。あの人もたまーに酒を飲みに来てくれてさ、立ったまま、こう、カウンターに腕をかけてね。うーん、あんたじゃまだ背が届かないけどね。そういえばあんたの横顔はちょっとシャークアイ様に似てるよ、横顔はね。輪郭がちょっと似てる気がする。「ええっ」てなーにマリベルちゃん、彼氏かっこいいじゃない。それに、優しそうだわ。シャークアイもかっこよくて優しそうなところがいいのよ。彼氏なかなか素敵だと思うわよ、背もこれからきっと伸びるわよ。あら、彼氏じゃないの? ほんとに? 幼馴染? 故郷が一緒なのね。そういう関係も素敵ね。
シャークアイは忙しいから何杯も飲んで行くわけじゃないけどね、そっちのテーブルに座った海賊たちとちょっとだけおしゃべりしていくの。ああ、だからあたしはよく彼の横顔を見てたのね。その様子がまた、涼しげで、男前でね。船の女はあたしだけじゃなくて皆あの人のファンなのよ、一目でころっと参っちゃった子も少なくないわよ。それで、最後の戦いの時も、もちろんあたし、船を下りなかった。シャークアイは降りていいって言ってくれたけどね。「コスタールに残ってもいい、故郷に戻ってもいい」って。でも、ついていこうって思ったの。
仕込み中の酒場で、アルスはジュースをサービスされて、女主人の話を聞いていた。隣にはマリベルがいて、アルスと同じジュースを飲みながら、女の話に時々相槌を打っていた。
「故郷って、どこですか?」
アルスは遠慮がちに女主人に尋ねた。もしかしたら、過去の世界を旅しているときに、彼女の故郷に立ち寄ったかもしれないと思ったからだった。女主人は明るく笑った。
「どこって言っても、もう何百年も昔なんでしょ? 不思議な話だけど。いいのよ、住む人は変わっても世界はおんなじで、また故郷に船を着ける日も来るだろうし。それに、この船があたしのもうひとつの故郷なんだから。ここが故郷だわ、仲間も、友達も、それにシャークアイ様もいるし。あたし、あの時マール・デ・ドラゴーンに残るって決めたこと、少しも後悔してないの。」
「ま、確かにシャークアイってシブくってちょっといい男よね」
「でしょ? マリベルちゃんもそう思うでしょ?」
世界中の波の上を旅する船。世界中の港を訪れる船。
その船を故郷として身を寄せる彼女は、そのあと、なおしばらく憧れの人の話をアルスたちに語って聞かせた。
――――――――――
お題はこちらのサイト様から頂きました
期間限定様
……シャークアイに会ったかい? いい男だろ? 若いのにシブくてさ、昔初めてあたしが彼を見たとき、彼はまだ独身だったの。あの人の笑顔に、一撃であたし、ノックアウトされちゃった。それであたし、故郷を捨ててこのマール・デ・ドラゴーンに来たのよ。船でもこうして酒場を始めてね、海賊の男たちは最初はいかついと思ったけど、仲良くなるとすごく気のいい連中ばかりでね、楽しくやってきたわ。あの人もたまーに酒を飲みに来てくれてさ、立ったまま、こう、カウンターに腕をかけてね。うーん、あんたじゃまだ背が届かないけどね。そういえばあんたの横顔はちょっとシャークアイ様に似てるよ、横顔はね。輪郭がちょっと似てる気がする。「ええっ」てなーにマリベルちゃん、彼氏かっこいいじゃない。それに、優しそうだわ。シャークアイもかっこよくて優しそうなところがいいのよ。彼氏なかなか素敵だと思うわよ、背もこれからきっと伸びるわよ。あら、彼氏じゃないの? ほんとに? 幼馴染? 故郷が一緒なのね。そういう関係も素敵ね。
シャークアイは忙しいから何杯も飲んで行くわけじゃないけどね、そっちのテーブルに座った海賊たちとちょっとだけおしゃべりしていくの。ああ、だからあたしはよく彼の横顔を見てたのね。その様子がまた、涼しげで、男前でね。船の女はあたしだけじゃなくて皆あの人のファンなのよ、一目でころっと参っちゃった子も少なくないわよ。それで、最後の戦いの時も、もちろんあたし、船を下りなかった。シャークアイは降りていいって言ってくれたけどね。「コスタールに残ってもいい、故郷に戻ってもいい」って。でも、ついていこうって思ったの。
仕込み中の酒場で、アルスはジュースをサービスされて、女主人の話を聞いていた。隣にはマリベルがいて、アルスと同じジュースを飲みながら、女の話に時々相槌を打っていた。
「故郷って、どこですか?」
アルスは遠慮がちに女主人に尋ねた。もしかしたら、過去の世界を旅しているときに、彼女の故郷に立ち寄ったかもしれないと思ったからだった。女主人は明るく笑った。
「どこって言っても、もう何百年も昔なんでしょ? 不思議な話だけど。いいのよ、住む人は変わっても世界はおんなじで、また故郷に船を着ける日も来るだろうし。それに、この船があたしのもうひとつの故郷なんだから。ここが故郷だわ、仲間も、友達も、それにシャークアイ様もいるし。あたし、あの時マール・デ・ドラゴーンに残るって決めたこと、少しも後悔してないの。」
「ま、確かにシャークアイってシブくってちょっといい男よね」
「でしょ? マリベルちゃんもそう思うでしょ?」
世界中の波の上を旅する船。世界中の港を訪れる船。
その船を故郷として身を寄せる彼女は、そのあと、なおしばらく憧れの人の話をアルスたちに語って聞かせた。
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モル元
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女性
自己紹介:
ゲーム大好きモル元です。
9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!
シャークアイ関連の雑談やコメントなど随時募集中。お気軽に話しかけてやって下さい。世の中にシャークアイの作品が増えるといいなと思って活動しています。
シャークアイ、かっこいいよね!
9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!
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