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ドラゴンクエスト7の小説ブログです。 9プレイ日記もあります。
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コスタールの海軍が、ますます増長している。わが手下どもがそこへ向かうことを嫌がる始末だ。フォロッドのような軍事大国に比べ、コスタールは国王が戦嫌いだとか、当初すぐに陥落しそうな様子を見せていた。それが突如として海軍を編成し、わが軍に歯向かっている。新しい魔物の群を送り込んでも送り込んでも、その海軍は飽きもせず戦い続けた。

「コスタールのこと、いかがなさいます、オルゴ・デミーラ様?」

部下の一人が問うた。二本の鋭い牙に唾液が滴っていた。魔物は力こそ強いが愚なのが欠点だと、かつて神に言われたことがある。だが、力こそすべてではないか? 力さえあれば策略など要らぬ。

「いかがもなにも、潰すわよ? もちろん、たっぷり痛めつけてよ?」

神は人間に肩入れし、われら魔物を人間の世界から退け続けてきた。だが、今の時代は違う。われらの勢力は人間界についに手を伸ばし、その絶望を食らい、世界を征服しようとしていた。

人間は砂粒のよう、われらからすればまばたきをする程の短さで、その命を散らす。儚く空しいのに、ばかばかしいことに、なんとその一粒一粒が、考え事をしているらしい。われらは目障りな砂漠を吹いて飛ばし、世界をバラバラにして封じ込める遊びに興じていた。順番に、順番に、より苦しむように。人間というのは、嘆きの声だけは上等なのだから。


だがその砂粒どもが時に砂嵐になってわが装束を汚そうとする。なんという身の程知らずか。暗澹たる海の向こうに千里を走る魔の眼を向けると、そこにはぼんやりと薄く青い輝きを放つ砂粒があった。忌々しい、あれがコスタールの海軍の長、懲りることのない一人の人間だ。


「精霊のしもべめが。わたしに歯向かうことがどういうことなのか、思い知らせてやるわ。」


ちかちかと輝いて人間どもを集めている、長い髪をした青年は若く美しく、その四肢を八つ裂きにすることを想像して私は唇を舐めた。周りの砂粒たちは青年に結集していた、おそらくはあの腕にこびりついた水の紋章をありがたがっているのだろう。だが、見ればその紋章こそ傑作だった。

思わず笑いがこみあげた。だって、まともな形をしていないのだ。なんとも無様な、出来損ないの形をしていた。あれでは精霊の加護など、ろくに受けてはいない。哀れな連中だ、あんな惨めなものを恃んで、われに立ち向かおうなどと。

「海の魔物どもよ、わが軍をコスタールへ! われも見に行こう。」
「オルゴ・デミーラ様、直々にですか?」
「そうよ、やっと面白そうなのだから。」

 

 

朽ちていく世界よ、割れる海よ、悲鳴をあげるがよい。
青き水の紋章など何にもならぬと教えてやろう、憎き者シャークアイよ、その心絶望の漆黒に染まれ。

――――――――――

お題はこちらのサイト様から頂きました
http://www.s-ht.com/~way/delucia/

 
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9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!

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