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ドラゴンクエスト7の小説ブログです。 9プレイ日記もあります。
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夜の甲板からシャークアイがなかなか戻らないので、アニエスは座っていたソファを離れた。部屋の中にいても今夜は少し寒い。温かいお茶を用意して、あのひとを迎えよう、きっと、とても冷えているだろうから。そう考えたときドアが開いて、シャークアイが姿を現した。
 
「アニエス! まだ起きているか?」
「おかえりなさい、あなた。先に寝たりしてないわ。寒かったでしょう、何か温かいものをいかが?」
「ありがとう。でもそれは後にして、バルコンに出てみないか?」
 
シャークアイは着ていたマントを脱いで、そっとアニエスの肩にかけた。そのマントにしみた夫のにおいに、アニエスはしあわせな気持ちになる。ほっそりした両肩を、シャークアイの大きな手が背中から優しく押した。窓の外に向かわせるように。

「なんですの、あなた?」
「いいからバルコンまで出ておいで。ほら!」
 
シャークアイは船長室の扉を開いた。バルコニーに出たアニエスの目に飛び込んできたのは、夜空いっぱいに満ちた、まさに満天の星だった。
 
「まあ! すてき!」
 
アニエスの歓声を聞いて、彼女の背中を守るように立っていたシャークアイが、嬉しそうに笑った。
 
 

冷たい風も、夫といれば怖くない。
わずかに白くけぶる、地上の吐息は美しかった。夢みたいだわ、とアニエスは思った。
 
「うれしくて、まだ信じられないくらいなの。またあなたとこうして一緒にいられるなんて。」

シャークアイはアニエスの背中をそっと抱いた。
やわらかな金色の髪が頬を優しく愛撫する。

幾星霜凍りついた時を経て、目覚めたとき、この目覚めはただ与えられた使命を果たすためのものだと、もはや伴侶は失ったものとシャークアイは思った。あの輝くような笑顔や声。忘れ得ない愛らしい仕草。そのどれにも、二度と触れられないのだと。それなのに今、こうして再びこの船で、降る星をともに見上げている。シャークアイにとってこそ、夢のような話だった。

いったいどれほど長い間、寂しくひとり歳月を数えたのだろう。
こんなにほそい、かよわい身体をして、オレのために、どれほどの孤独に耐えたのだろう。

「よく待ってくれた。アニエス、これからは、ずっと一緒だ。」

アニエスは安心したように微笑して、小さな背中を夫にあずけた。




――――――――――
お題はこちらのサイト様から頂きました
期間限定様

涙のゆくえを君は知っていますか?」の後日談として。
(1)としてありますが、続きものではなくて、
別ヴァージョンを、同じお題でもう一枚書こうかなーと思っています。

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プロフィール
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モル元
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女性
自己紹介:
ゲーム大好きモル元です。

9のプレイも一段落ついて、そろそろ7小説に戻ろうか、と書き始めた途端、シャークアイの知名度や活動人口の少なさを再び思い知って打ちひしがれている今日この頃です。皆さんにシャークアイのことを思い出してもらったり、好きになってもらうために、めげずに頑張って書いていきます!

シャークアイ関連の雑談やコメントなど随時募集中。お気軽に話しかけてやって下さい。世の中にシャークアイの作品が増えるといいなと思って活動しています。

シャークアイ、かっこいいよね!
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